2006年に当時の店主が50周年を記念してカップとソーサーをリニューアルしました。
もともと越路のカップはトレードマークのブリュアンの帽子やマフラー、マントがすべて白抜きになっており、カップの形状も少し縦長です。
そしてリニューアルされたカップとソーサーがこれ。
ブリュアンのマントと帽子が塗りつぶされ、コントラストが鮮明になっています。髪の毛も加工がされており、カップは横長になりました。ブリュアンの顔も少し柔和になったような。原作に近いダンディーな顔つきから親しみやすい表情になっています。現在のロゴはこのブリュアンをもとにしています。
ソーサーの中心には1956と2006の文字が印字され、周囲のエンドレスデザインはそのまま施されています。
わかりにくいですが、ソーサーの右上にはミルクピッチャーを乗せるためのへこみがあり、左下にはスプーンを置くためのへこみがあり、機能性も備えています。
これをあらためて再現するために、作ってくれた(らしい)会社を訪ねました。規制品でもなく、おそらくオリジナルと思われるが、残念ながらすでに「型」はなく、完全に復刻するには型から作り直す必要があるようです。
それはそれで仕方ないけれど、この陶器はどのようなシロモノなのよ。キニナル。。
そうか。陶器といえば瀬戸物で有名な瀬戸市。ネットで窯元を調べ、何社かに連絡したところ一社が相談に載ってくれました。ありがたいことです。
カップをあらゆる確度で撮影し、それでも不明な点があるようで実物を送り品評してもらいました。
その窯元曰く、
- コーヒーが冷めないよう肉厚で作ってある。
- 飲みやすいように口元は柔らかく反っている。
- 僅かな高台仕様になっておりデザイン性に優れている。
- ソーサーに施してあるエンドレスデザインのプリントがとても精巧に貼ってある。
- プリントは通常のプリントでは無く、永久に剥がれ落ちないイングレーズプリントと呼ばれるものらしい。
とのこと。
当時の店主のこだわりと配慮、そして遊び心が伝わってきました。
兄あーちゃんのこだわりは凄かったので このカップの話でよく分かりました。
窪みは自分でもいい思いツキだったのでしょう 楽しそうに自慢していたのを思い出しました。
スプーンの置き所のマナーも解説してくれました。